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ラーマクリシュナの言葉

 ひたすらお働きなさい。然し心は神を想いつづけて、妻や子供達や両親と共に暮し、極く近しく親しい人々として彼等にお仕えなさい。けれど、ほんとうはそうではない、と言う事を心の奥底に於て知ることです。金持の家に仕える卑女のような心がまえで此の世に幕らすのです。

 (或る信者が肉親の中の一人に対して異常な愛着を持ち、そのために確固とした心を保つ事ができないでいるのを見て、師は次の様に教えられた)その愛する者を神の姿とみなし、に仕える態度で彼に奉仕なさい。

民族の歴史は一日で成るものではない。それはさまざまの創造的な力の、幾百年にわたる無言のはたらきの結果である。一民族の特異な文化はこのようにして形成されるのである。インドの歴史は、その文化的伝統に忠実な民族は決して滅びない、ということを証明している。  宗教は、インドの民族の生命の背骨である。大古以来、インドは無数の変遷を経験した。彼女がそれらを経て生き残ったのは、その民族が常に、自らの霊的本性に対して忠実だったからである。民族の生命に霊的危機が訪れると必ず聖者すなわち予言者が生まれて、人々をさし迫った危険から救った。シュリ・クリシュナ、ブッダ、シャンカラ、ナーナク、チャイタニヤ――それぞれが、自分の生まれた時代の大きな要求をみたした。

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 十九世紀、インドは重大危機に直面した。イギリスに征服されると同時に西洋の文明がこの国にどっと侵入し、勝利国の物質力を畏れ敬ったインド人は、西洋のものなら何でも歓迎した。やがてキリスト教――世界最大の改宗をすすめる宗教の一つ――が、この国の完全な文化的征服をめざして黙って働きはじめた。  この際どい時期に、インドの文化と宗教の精神の権化、シュリ・ラーマクリシュナは現れた。かれは、ヒンドゥイズムの美しさ、気高さ、および力強さに対するインド人の信仰が甚しく衰えたときに、それらに対する彼らの眼を開いた。かれの生涯は、インド文化の精神を蝕もうと試みたあの外国の勢力に対する、とりでとなったのである。

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 シュリ・ラーマクリシュナが生まれたのはヒンドゥイズムを恐ろしい災難から救うためばかりでなく、言わば、すべての信仰を活き返らせるためでもあった。かれが自分の宗教以外の諸宗教をも実践してそのすべてが真理であることを直接経験した結果、如何なる宗教に属する人も、自分が奉ずる宗教に対する自分の信仰が強化されたことを知るのである。その意味で、シュリ・ラーマクリシュナの生涯は、世界的風潮である宗教不信の流れを阻止したことは確かである。すでに、かれの霊的自覚の影響は諸外国に及んでいる。年が重なるにつれて更に力を集めるであろうことを誰が疑い得よう。シュリ・ラーマクリシュナはヒンドゥイズムだけでなく、すべての宗教を代表しているのだから。